大会長挨拶

 このたび『第58回日本実験動物学会総会』を来る平成23年5月25日 (水)、26日(木)、27日(金)の3日間、江戸川区総合区民ホール、通称『タワーホール船堀』におきまして開催することに致しました。
 今回は「産・学・技・連携による新しい実験動物科学の創成」と銘打って、実験動物科学を取り巻く激動の中、再度実験動物科学の原点に立ち返り、実験動物科学を支えて来られた産業界、学術界、技術界の連携により、新たなる実験動物科学の創成に向けての第一歩となるべく、総会を企画致しました。まず、総会の中心となるシンポジウムでは、産業界、学術界、技術界向けにそれぞれ2本ずつのシンポジウム、また当学会の学術集会委員会企画のシンポジウム1本と併せて、7本のシンポジウムを企画致しました。産業界向けには「創薬研究を支える薬物動態研究と実験動物科学」、「新薬開発におけるレギュラトリーサイエンス」を、学術界向けには「野生マウスが拓く新しい実験動物学の地平」、「遺伝子改変動物作出の新たな技術的展開」、技術界向けには「実験動物施設の危機管理」、「動物実験におけるエンリッチメントを考える -実験動物福祉の充実を目指して-(日本実験動物技術者協会主催)」、学術集会委員会企画のシンポジウムとして「マウス・ラットはヒト疾患モデルとして有用か?」を予定しております。
 また、特別講演としてエンドセリン、オレキシン研究の第一人者であられる柳沢正史先生(筑波大学/テキサス大学サウスウェスタン医学センター教授)をお招きし、「視床下部オレキシン系 ~オーファン受容体から医薬ターゲットへ~」というお話をいただくことになりました。
 さらに、市民公開講座では、テレビ等でご活躍の江戸川総合人生大学学長 北野大先生(明治大学理工学部)と「がんのひみつ」などの著書でご高名な中川 恵一先生(東京大学医学部)にご講演をお願いしております。
 以上、どれを取りましても実験動物科学の現状と深く関わっており、関係者各位にとってup-to-dateで有益な情報が得られる総会になるものと自負しております。多数の方々の参加をお待ちしております。

第58回日本実験動物学会総会 大会長 米川博通